機能性油脂材料の創出

トリアシルグリセロールを基本骨格とした機能性油脂材料の創出

 油脂は植物や動物の体内に含まれている生体材料の一つです。トリアシルグリセロール(TAG)は代表的な油脂であり、グリセリンと3つに脂肪酸から構成されています。TAG中の脂肪酸の組成を変えることで融点や粘度などの物理特性が変化することが知られています。さらに、油脂は多数の結晶多形を示すことが知られています。

 一方、機能性材料を新たに設計する場合、分子の配向性や結晶構造はその材料の特性を決定する上で非常に重要です。そこで、油脂の結晶多形に由来する準安定型構造を自在にあやつことができれば、材料の色や発光性などを制御できる可能性があります。そこで私たちは、TAGと機能性分子を組み合わせて、油脂の特性を活かした新たな材料の創出を目指して研究をしています。